On the way

思いつくまま気の向くまま

読書

小学4年生の世界平和 / ジョン・ハンター

これは教育と学びの本である。 ある小説で登場人物の男子高校生が、「あの本は面白い......」と呟くものだから、これはいつか必ず読もうと思っていたのだ。 本屋や古本屋で面白そうな本を手に取るのも良いけれど、本から本を、人から本を紹介されることにな…

BISビブリオバトル部 翼を持つ少女 上下・幽霊なんて怖くない・世界が終わる前に / 山本 弘

文庫版4冊を、一気に読んでしまったので、一気に感想を書きたいと思います。 面白いです。それに尽きます。 出会いのきっかけは、ある芸能人のインスタでした。「翼を持つ少女」の文庫版表紙が載って、面白かったと紹介されていました。 その方の読書傾向も…

まぐだら屋のマリア / 原田マハ

タイトル・ジャケット買いだった。 マハさんのを定期的に読むのは、もはや習慣かもしれない。 しばらく経ってから、読んでる学術書が一向に進まないものだから、本棚に積んでおいた未読本の中から引き抜いた。 ほぼ1日で、読み終わった。 なにを思い描いてた…

神々の山嶺 / 夢枕獏

久しぶりに立ち寄ったブックオフで見かけたとき、あーこれ夢枕獏さんなんだぁと驚いた。 私の中では、陰陽師のイメージが強すぎて、現代物を書くとは思わなかったから。 小学生か中学生のとき、テレビで放映された映画版陰陽師が面白くって仕方がなくて、母…

天涯の船 / 玉岡かおる

読み終えて、ため息が出てしまうほどの重厚感を覚える作品というのは、なかなか出会うことができない。 途中から、これは史実?フィクション?とわからなくなりながら、最後の著者のあとがきをよんで、これは物語りなんだなぁと落ち着いた。 この本は、随分…

リーチ先生 / 原田マハ

人から「先生」と呼ばれる人は、どんな人だろう。 どうして、そう呼ばれるのだろう。 この作品に描かれているリーチ先生は、まさしく先生と呼ばれるにふさわしい人格者である。 本屋に平積みされていた本作「リーチ先生」が目に入った時、わたしの頭にはちゃ…

さよならドビュッシー / 中山 七里

帯には確かにミステリーと書いてあったのに、読み始めた頃にはすっかり忘れて、突然火蓋が切って落とされたような瞬間の衝撃で、ミステリーだと思い出した。 濃密な文章だった。 特に、音楽の演奏シーンは畳み掛けるようで、クラシックは全然詳しくないのに…

青の数学2 ユークリッド・エクスプローラー / 王城夕紀

これで終わりかな、というところ。 続いたら続いたで読むんだろうが。 主人公にとって、1番最初の段差、というところだろうか。 手に掴めそうで、掴めない。 毎回違うこの感覚を、一度体験するかどうかで大きく変わる。 今回は、ぐるぐるぐるぐる、同じよう…

青の数学 / 王城 夕紀

肩が凝った。今日はヒールも履いていた。最後の数段を、一気に駆け上がったような気分と、息切れの感覚。 最初は、背表紙から惹かれた。 つまり、タイトル。 前も書いたかもしれないけれど、フェルマーの最終定理という本(あれは確か小説ではなかった)を読ん…

それでも、日本人は「戦争」を選んだ / 加藤 陽子

お盆のブックオフで見つけて、蝉の鳴き声が終わる頃、読み終わりました。 私は高校で世界史選択なもので、日本史は、特に明治以降の歴史はほとんど知らない。 歴史上の人物も、ギリギリ有名な人は名前を聞いたことがあるくらい。もしかしたら授業でやったの…

ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂 / マーギー・プロイス

先日、ある人との会話で私が、「最近、向上心が旅に出てしまったようだ」と言うと、相手に「案外、本屋に行くと、向上心帰ってくるよ(笑)」と言われて、はっとさせられました。 そういえば最近、本屋行ってない! 思い立ったが吉日、一駅先の本屋さんに向か…

総理の夫 / 原田マハ

突然やってきた夏の暑さに、まだまだ身体が慣れていない今日この頃。 よくよく考えてみると、またこの人の作品を読んでるなぁ、と思った。 そして、この人の言葉には力がある、とも。 ここぞ、というときの言葉の使い方、広げ方、選び方が、本当に「グッとく…

生きるぼくら / 原田マハ

あぁ、どうしてこんなに匂いや景色が、言葉から飛び出してくるみたいなんだろう。 森の匂いや湿度の高さ、やわらかい土と眩しい日差し、そして、おいしいお米。 梅干しのすっぱさも、白ごはんのおいしさも、口の中に広がるみたい。 あぁ、なんて気持ちの良い…

鹿の王 水底の橋 / 上橋菜穂子

かなり前に読んだ作品の番外編にあたるため、また少し忘れていた記憶と向き合いながら本を読む(笑) 母が、とってもニコニコしながら持ってきて早く読むようにと急かすものだから、それより前に一気に購入した本たちより先に読むことにした。 久々の単行本は…

弥栄の烏 / 阿部智里

第1部完結と帯には書かれていた。 最後の、彼の涙が出てお腹にずしんと来る。 先に読んだ人が言っていた通り、前作「玉依姫」を八咫烏の側から見た時点で描かれている。 前作は、途中まで昔の出来事を書いているんだとばっかり思っていたから、途中で奈月彦…

木のいのち 木のこころ 天・地・人 / 西岡常一 他

昔から、宮大工に憧れがあった。 木を扱う職人さんにぐっとくるものがあった。 そんな私の好みなんて知らない友人から、面白いと紹介された本だった。 必要な時期に、必要なものは手に入る。 読み始めた時、そういう気持ちになった。 時間がかかるということ…

オリガ・モリソヴナの反語法 / 米原万里

一気に読めたわけではないけれど、なんとも言えぬ重さがあった。 重厚感のある、読み応えのある作品だと思う。 なにより私は、その時代のロシアのことを知らない。自分の無知を知るのと同時に、静かな好奇心がふつふつと湧いてくるようだった。 そういえば、…

そして、バトンは渡された / 瀬尾まいこ

本屋大賞にしては、静かな物語だと思った。 もっとはっきりしている作品が多いイメージだった。 けど、これはこれで、味わい深い。 本屋大賞は、豪華なフレンチではないけれど、美味しいイタリアンくらいのイメージだった。でもこの作品は、美味しい創作和食…

モダン / 原田マハ

彼女の、MoMAに対する愛情が生み出した作品だった。 元々、MoMAで勤務していた著者はMoMAを舞台にした、もしくはそれに関連する作品を沢山書いている。 そのどれをとっても、ああこの人はMoMAがとても好きなんだろう、誇りに思っているんだろうと感じられる…

古く美しきものを求めて / 石黒孝次郎

知り合いの方が、私の大学時代の専攻を知り、わざわざくださった本でした。 単行本で、結構分厚くて、自伝というジャンルをあまり読まないものだから、読み終わるかが最初は心配でした。 単行本だから持ち歩く機会が少なくて時間はかかったけど、読み始める…

世にも奇妙な君物語 / 朝井リョウ

この「してやられた感」がなんとも言えない。それとも、一晩経ったからそう思うのか、それすらわからない。 本当は、読み進めている途中まで、「私はあまり好きじゃない」とここに書く予定だった。 特に4話を読み終えたとき、本家「世にも奇妙な」の、あの…

空飛ぶ馬 / 北村薫

最初にこの本を知ったのは、あるテレビの大学生が中学生に勧めていたことがきっかけだ。 気になったからネットでレビューを読んで、イマイチなコメントもあって、読もうかどうしようか迷っていた頃、同じテレビを観ていた母が古本屋で買って帰ってきた。 な…

二つの文化と科学革命 / C.P.スノー

読みづらいと感じたのは、おそらく翻訳が原文に沿った訳し方をしてわかりにくくなっているのと、原文の英語独特の言い回しが原因だと思う。 しかし、やっと本棚で順番待ちしていた本書を読み終わることができた。 実は、もう少し前に一度手に取り、数ページ…

脳を鍛える / 立花隆

教養とはなにかを問われたら、この本を薦めると思う。全ての答えが入っているわけではないけれど、大きく捉えることは可能になるかもしれない。 今一度、自分の教養のなさを知る。 書物は芋蔓式で派生していく。本を読めば次に読む本に出会える。 最近、色ん…

ホーキング、宇宙を語る / スティーブン・W・ホーキング

やっと、やっと、読み終わった!! おそらく内容の半分以上は理解できてないし、残りの部分もニュアンスわかったくらいの感じだろうけど、とにかく読み終わった!! 私、文系人間なんだぞ。1ヶ月近くかかってしまった。 この達成感。 序章で魅せられた。 自…

聞く力 / 阿川佐和子

ちょうど、読んでいる本が難しい章で、なかなか進まなかったのです。そんな時期に勧められたのがこの本。もともと名前は知ってたけど、読むつもりはあまりありませんでした。 実は私、この方のこと、よく知りませんでした。小柄で可愛い、ちょっとお調子者風…

戸村飯店 青春100連発 / 瀬尾まいこ

「100連発」!なんて題名だから、てっきりギャグ小説かと思って読み始めてみたのに、違った。そもそも、瀬尾さんがギャグ書くかなぁという疑念もあったけど、やっぱり瀬尾さんらしい(とか勝手に言って良いのかわからないけど)作品だった。 友人から、タイ…

思考の整理学 / 外山滋比古

これはハウツー本ではない、というあとがき通り、ハウツー本としては読みにくく、あくまで読み物である。 他の本を検索していたところ、見つけた本だった。 ものを考えるには朝飯前が一番 忘れること、寝かせることで考えは熟成する こだわりがあってはいけ…

妻に捧げた1778話 / 眉村卓

読み始めて、ふとした瞬間から、自分の感想文を頭の中で書き始めてしまった。 こういうことはたまにある。その分集中できていないのか、冷静なのか。 思ったことを、ぽつぽつと。 ひとから薦められた本はできるだけ読むようにしている。この本もそうで、いつ…

歴史をつかむ技法 / 山本博文

日本史をざーっと知りたい。 そんな気持ちでネット検索したら、複数のサイトでこの本がおススメされていて購入を決めた。 最初の半分は、歴史学とはなにか、歴史の根拠はどうやって決まるか、ということを中心に。 それこそ「歴史はどのようにそれが史実と決…