On the way

思いつくまま気の向くまま

ふたつのしるし / 宮下 奈緒

いつ手に取ったかは忘れてしまった。 だいぶ前から本棚にそっと置いてあった。 この作者さんの本を一時期集めて、静かに鎮座したそれらを、少しずつ少しずつ開いてみることにしたのです。 いつ、この2人の物語は交差するのだろうと、思いながら読んでいまし…

もしもし

考えすぎないことで見えてくるものがある あと一歩、踏み込めば良いだけ 難しく考えるのはかえって物事を複雑にする場合がある ただし、簡単に考えるだけでは掬い取れないこともある この匙加減、難しい やるべきことをひとつずつ 目の前のことをいっこずつ …

無題

夢をみた とてもかなしい夢だった 二度寝したことを後悔した 大切な人を失う夢だった 悲しくて悲しくて それでも見上げた空が青く 青く 深く青く 雲の厚さは壮観で それでも進むのだと 立ち止まりながら 頭ではわかっている夢だった 図書館のような 本屋のよ…

もう少し

もう少し もう少し と、唱えるように祈っても時間は有限で 今日も明日も足早にやってきては過ぎていく それは素晴らしくもあり惜しくもあり 明日のわたしもあなたもきみも 何が1番かはわからない ただひたすらに無事を願う なにもないと思う日常は思ってるよ…

かがみの孤城 / 辻村深月

ほんとうはもっとやらなきゃいけないことがあった気がするんだけど、駆け抜けるように読んだ本だった。 偶然、はじめて行った図書館で見つけた、数年前に話題になった本。 いつか読もうと思っていた。 けど勉強があるから今はやめとこうかな、と見つけた瞬間…

ひとみ

こちらを見て 眉をひそめて不満げな表情をしてみたり かと思えばにこにこ笑って声を出し おしゃべりがすきかと思えば 窓の外へと目をやって きらきらした目で空を見る 横顔のまんまるおめめは清廉で なにを考えているのかと思えば 大きなあくびをしている 視…

小さなて

私の腕の服をちょこんと掴む小さな手 このこは私をやすらぎの場と思ってくれているだろうか そのめで見る世界はきちんと優しいだろうか どうかそのてで自分の顔を傷つけないでほしい あいらしいこえとのおしゃべりは豊かで ほほよせた体温にひと息つく 与え…

たまらなく大きく

新しいものと古いものの境目はどこにあるのだろう ときどきふと、そんなことを思う 反対に見えるものは延長線上にあり、 比較対象とならなければ反対にはならない いつ、新しかったものが古くなるのか 古いものが新しいと言われることもある 直線的か円を描…

水槽に泳ぐ

ぷかぷかぷかぷか 浮いては揺らぎ 沈まぬからだ あの魚たちとはちがう構造 手のひらほどのビニール袋も 分厚いガラスの箱も 生きる空間としては同じ意味 広いほうがよかろうとも思うけれど それだけたくさん入るもの ペットボトルの水面さえ ゆらぎその向こ…

まだみぬ

まだみぬまだみぬ 明日より 今日の手元をこなすので精一杯 というほどかはわからない もっとギリギリまでやったら もっと違う景色がみえるかな

ふゆ

冷たい空気の中で 陽の光で熱くなった髪の毛を 少しどかして あたたかいラテを飲む 深緑の向こうの真っ青が とても冬らしいと思う 冷たくなった指先で スマホを打つ 次の行先に 向かうか考える

小学4年生の世界平和 / ジョン・ハンター

これは教育と学びの本である。 ある小説で登場人物の男子高校生が、「あの本は面白い......」と呟くものだから、これはいつか必ず読もうと思っていたのだ。 本屋や古本屋で面白そうな本を手に取るのも良いけれど、本から本を、人から本を紹介されることにな…

不満未満

何故だか満たされぬなにかを抱えて どうしたらそれらが解消されるかを探しながら でも日々のプロセスを辿るために時間を決めて 解決の糸口は見えぬまま今日も眠りにつこうとしている 読めば良いのか、書けば良いのか、 頭ではわかっていてもなにも手につけら…

終わり方

物語の終わりは、何度読んでも、 それが好き終わり方であるほどに、 ため息なようなひと息が、 お腹の底から出ていくようで。 終わってしまう切なさと、 駆け抜けるような長い旅の終わりを、 今一度噛み締めているからでしょう。 昨日、課金しまくって読み終…

星を探す

昨日は、晴れた夜空から煌々とまんまるな月が見えた。 一昨日は、警備員のおじいさんに「今日は中秋の名月ですが、見えませんな」と粋な感じで声掛けられて、たしかに見えなくて少し残念だったけど、思い出して夜空を見上げて歩いたのは良かった。 開けた場…

遠くを

日常的に遠くを見ることが減り、 視線が下がったことで手の届く範囲で生きている気がする。 でも元々人間はそうだった生き物だろうと、 高い所に身を置くようになったのはここ最近の話で、 バベルの塔が神話になるくらいだから、 人間は罪深いとか言われるの…

自由に

自由に 自由に 雨よりも晴れが好きだけど、 これくらいの小雨なら悪くない かもしれない 少し歩いて 少し立ち止まって 効率よく 計画立てて できるようにしてきたけど もうすこし自由に 自由に 重い足取りも 風に流されるように 軽くしていって もうすこし …

BISビブリオバトル部 翼を持つ少女 上下・幽霊なんて怖くない・世界が終わる前に / 山本 弘

文庫版4冊を、一気に読んでしまったので、一気に感想を書きたいと思います。 面白いです。それに尽きます。 出会いのきっかけは、ある芸能人のインスタでした。「翼を持つ少女」の文庫版表紙が載って、面白かったと紹介されていました。 その方の読書傾向も…

目線

窓の向こう、 道を挟んだ十数メートル離れたマンションの、 こちらより少し高い階のベランダ 干された掛け布団が風でめくれあがったまま でもそれより気になるのは ベランダのフチに時々出てくるタオルの端っこ 風の強い日 青空が広がる 今日も、家のなか

まぐだら屋のマリア / 原田マハ

タイトル・ジャケット買いだった。 マハさんのを定期的に読むのは、もはや習慣かもしれない。 しばらく経ってから、読んでる学術書が一向に進まないものだから、本棚に積んでおいた未読本の中から引き抜いた。 ほぼ1日で、読み終わった。 なにを思い描いてた…

音を鳴らす

建設的な考え方をするには、 顔を上げなければならない 音を鳴らさなければならない 泣き喚いたところで、 明日は見えない 悲観主義者はあらゆるチャンスの中に 問題を見出し、 楽観主義者はあらゆる問題の中に チャンスを見出す。 ーウィンストン・チャーチ…

神々の山嶺 / 夢枕獏

久しぶりに立ち寄ったブックオフで見かけたとき、あーこれ夢枕獏さんなんだぁと驚いた。 私の中では、陰陽師のイメージが強すぎて、現代物を書くとは思わなかったから。 小学生か中学生のとき、テレビで放映された映画版陰陽師が面白くって仕方がなくて、母…

天涯の船 / 玉岡かおる

読み終えて、ため息が出てしまうほどの重厚感を覚える作品というのは、なかなか出会うことができない。 途中から、これは史実?フィクション?とわからなくなりながら、最後の著者のあとがきをよんで、これは物語りなんだなぁと落ち着いた。 この本は、随分…

リーチ先生 / 原田マハ

人から「先生」と呼ばれる人は、どんな人だろう。 どうして、そう呼ばれるのだろう。 この作品に描かれているリーチ先生は、まさしく先生と呼ばれるにふさわしい人格者である。 本屋に平積みされていた本作「リーチ先生」が目に入った時、わたしの頭にはちゃ…

G線上のあなたと私

あーもーすごいよかったんです、ってことを話します。 今日は、朝から帰るまで、昨日撮り溜めしたこのドラマのことが頭から離れなくって、お昼にネットニュースで「最終回、絶賛の嵐」っていう見出しを見てしまい、気になるけどネタバレあるかもだから見ちゃ…

休みの朝

数ヶ月前、上の階にご家族が引っ越してきたらしく 少し前には私の両手より少し大きいくらいのベイビーTシャツがうちのベランダにこんにちはして たぶんそうだろうと返しに行ったら、奥さんの隣に小さい坊やがくっついてて 後ろには、さらに小さい子が動き回…

繰り返すことについて。

昨夜、ふと思ったことをつらつらと。 毎日、生きるだけで、汚してる。 なにをしなくても、髪の毛は部屋の床に落ちていくし、お風呂に入れば、使ったタオルが出てくる。 ご飯を作れば生ゴミと使用済みの調理器具と食器が出てくる。 そして、最初は億劫だと思…

さよならドビュッシー / 中山 七里

帯には確かにミステリーと書いてあったのに、読み始めた頃にはすっかり忘れて、突然火蓋が切って落とされたような瞬間の衝撃で、ミステリーだと思い出した。 濃密な文章だった。 特に、音楽の演奏シーンは畳み掛けるようで、クラシックは全然詳しくないのに…

青の数学2 ユークリッド・エクスプローラー / 王城夕紀

これで終わりかな、というところ。 続いたら続いたで読むんだろうが。 主人公にとって、1番最初の段差、というところだろうか。 手に掴めそうで、掴めない。 毎回違うこの感覚を、一度体験するかどうかで大きく変わる。 今回は、ぐるぐるぐるぐる、同じよう…

息継ぎの方法 10月2日

毎日が必死で泳いでるみたい。 昔から泳ぐのは苦手で、 平泳ぎは遅々として進まず 背泳ぎは楽だが先が見えなくて怖く クロールは全力だからすぐに疲れる。 真っ白な中を、すごいスピードで動くなにかを見ようとして、自分の首の動きが追いつかない。 息継ぎ…