遠くを
日常的に遠くを見ることが減り、
視線が下がったことで手の届く範囲で生きている気がする。
でも元々人間はそうだった生き物だろうと、
高い所に身を置くようになったのはここ最近の話で、
バベルの塔が神話になるくらいだから、
人間は罪深いとか言われるのかもしれない。
空を見ると遠くを見ることに自動的になってるのかもしれないけど、
比較対象がないからなかなかわからない。
高い所から、遠くの小さなビルや、遠くにあるとわかる夕日や、真下でもとても小さい人影とかを見ると、
なんとなく切ないような壮観のような気になるのは、
本来そこにあるべき視点じゃないからかもしれない。
最近はドローンとかで鳥のような視点の映像をよく見るようになって、
そうなってくるともう、
なにが本来なのかとかもよくわからなくなってくる。
ただ、生物としてのスピードが、人間はおかしいのかもしれない。
でも、あの景色は無性に欲しくなる。
もう行くことはない場所だけど、また同じ景色を見たいと思う。
つらつらと、夜。