On the way

思いつくまま気の向くまま

2018-01-01から1年間の記事一覧

世にも奇妙な君物語 / 朝井リョウ

この「してやられた感」がなんとも言えない。それとも、一晩経ったからそう思うのか、それすらわからない。 本当は、読み進めている途中まで、「私はあまり好きじゃない」とここに書く予定だった。 特に4話を読み終えたとき、本家「世にも奇妙な」の、あの…

空飛ぶ馬 / 北村薫

最初にこの本を知ったのは、あるテレビの大学生が中学生に勧めていたことがきっかけだ。 気になったからネットでレビューを読んで、イマイチなコメントもあって、読もうかどうしようか迷っていた頃、同じテレビを観ていた母が古本屋で買って帰ってきた。 な…

銀河鉄道

もし電車に乗って本に夢中になったら、どこに連れて行かれるかわからなくならないだろうか。 当たり前のように決まった線路を進むのに、ときどきそれが別の道に私を運んでいくんじゃないかと錯覚する。 ちゃんといつもの線路を走っているのに、急に線路が夜…

問いと選択

私は、当時の私自身が、何度も問いかけて選択したという事実を知っている。 それが私の選択だと、この選択は自分が責任を持つものだと一度決めたのだ。 後から理由とか言い訳とかしないって、決めたのだ。 だから今、遡って他の何かのせいにしたりするのは全…

夜の帳に

お腹が満たされていると なかなか思考が思うようにはできませんが 考え過ぎないこともまた大切で 夜の帳が降りるころ 今日のことより明日のこと 過去のことよりこれからを 思えば良いかと思います 周りの目やら他人事を 気にしてばかりいるうちは 本当のこと…

二つの文化と科学革命 / C.P.スノー

読みづらいと感じたのは、おそらく翻訳が原文に沿った訳し方をしてわかりにくくなっているのと、原文の英語独特の言い回しが原因だと思う。 しかし、やっと本棚で順番待ちしていた本書を読み終わることができた。 実は、もう少し前に一度手に取り、数ページ…

レッドタートル ある島の物語

かなり前に撮り溜めしていたのを、なんとなしに見始めたのだ。 最初は正直、1時間半持つかな?と思った。 最初の数分で、この映画は言葉なしで進むとわかったから。 それは、どこの国の人が見ても、言語を持たない人が見ても、わかるということを意味する。 …

脳を鍛える / 立花隆

教養とはなにかを問われたら、この本を薦めると思う。全ての答えが入っているわけではないけれど、大きく捉えることは可能になるかもしれない。 今一度、自分の教養のなさを知る。 書物は芋蔓式で派生していく。本を読めば次に読む本に出会える。 最近、色ん…

ホーキング、宇宙を語る / スティーブン・W・ホーキング

やっと、やっと、読み終わった!! おそらく内容の半分以上は理解できてないし、残りの部分もニュアンスわかったくらいの感じだろうけど、とにかく読み終わった!! 私、文系人間なんだぞ。1ヶ月近くかかってしまった。 この達成感。 序章で魅せられた。 自…

過程

今日、電車で漫画を読んで思わずニヤニヤしている人を見かけました。 一方で私は、読むのが難航している本を、たぶん難しい顔して読んでいたのかもしれません。 はっと気づきます。なんのために読んでいるんだろう。 最初は、たぶんこの本は背伸びをするんだ…

聞く力 / 阿川佐和子

ちょうど、読んでいる本が難しい章で、なかなか進まなかったのです。そんな時期に勧められたのがこの本。もともと名前は知ってたけど、読むつもりはあまりありませんでした。 実は私、この方のこと、よく知りませんでした。小柄で可愛い、ちょっとお調子者風…

戸村飯店 青春100連発 / 瀬尾まいこ

「100連発」!なんて題名だから、てっきりギャグ小説かと思って読み始めてみたのに、違った。そもそも、瀬尾さんがギャグ書くかなぁという疑念もあったけど、やっぱり瀬尾さんらしい(とか勝手に言って良いのかわからないけど)作品だった。 友人から、タイ…

思考の整理学 / 外山滋比古

これはハウツー本ではない、というあとがき通り、ハウツー本としては読みにくく、あくまで読み物である。 他の本を検索していたところ、見つけた本だった。 ものを考えるには朝飯前が一番 忘れること、寝かせることで考えは熟成する こだわりがあってはいけ…

妻に捧げた1778話 / 眉村卓

読み始めて、ふとした瞬間から、自分の感想文を頭の中で書き始めてしまった。 こういうことはたまにある。その分集中できていないのか、冷静なのか。 思ったことを、ぽつぽつと。 ひとから薦められた本はできるだけ読むようにしている。この本もそうで、いつ…

明日晴れるかな

もし、明日晴れたらなにをするか 多分空を見上げるだろうと思う 夏の暑さと空の青さにやられてしまうだろう 人生は、テキトーでいいのかもしれない 明日のことは明日が決めるし 足の靴擦れが明日どうなっているかはわからない 縛られるものはそれぞれあるけ…

流れ

人の溢れた構内で、みんなぶつからずに目的の方向へ進んでいく。 魚は身体で水の流れを感知できるから、群れでもぶつからないのだという。 人は、ときどきぶつかってしまうけど、魚と似たような機能を持っているのではないだろうか。 認識力、空間把握力、反…

歴史をつかむ技法 / 山本博文

日本史をざーっと知りたい。 そんな気持ちでネット検索したら、複数のサイトでこの本がおススメされていて購入を決めた。 最初の半分は、歴史学とはなにか、歴史の根拠はどうやって決まるか、ということを中心に。 それこそ「歴史はどのようにそれが史実と決…

明日の子供たち / 有川浩

不思議な感じ。ページがどんどんめくれていく。小説ってこんなに読みやすいんだっけ?そんな感覚が蘇る。決して妥協して選んだ本ではない。もちろん衝動もあったが、むしろ厳選を重ねたつもりだ。 勉強しなければ自分の価値がなくなると震えるほど本気で考え…

何者 / 朝井リョウ

何者になりたいのか 何者になりたがっているのか その問いかけは、決して就活生の専売特許ではない。 この人の小説は、良くも悪くも頭が痛くなるほど強く惹きつけられるということはない、でも不思議な色のドリンクみたいな。 飲んでみたら、たぶんおいしい…

メガネの選び方

「ほんとに君ってよく考えるよね、そこまでっていうほど考えるよね」 先輩にそう言われたとき、批判されているのかなという気持ちが頭をかすめた。 そこが私の性格というものだと思った。 でも、しばらくしてから、 それならば、もうそこまで考えなくても良…

万引き家族

誰が、なにを、罪と決めるのだろう。 たったワンシーンの脇役まで、豪華だった。 少年の、徐々に感じていった違和感を、たしかにそうだろうと思った。 ミキと、リンは、これからどこにいくのだろう。 なるほど安藤サクラは、すごい気がした。 もしかしたらそ…

暗幕のゲルニカ / 原田マハ

最後のページをめくった瞬間、これで終わりなのだと知り、ひとり驚きの声をあげてしまった。 そしてしばらくして、じわじわとこみ上げてきたのは、 ルース、あなたの提案はこれですね 唇の端をあげてにやりと笑う、そういう気分だった。 この本は、どちらか…

空が眩しいくらい青くて、 サマーソングを聴けば、 もう完璧に夏だ。 夏が来るから、 走り出さなきゃ

動き、動作について

鳩の顔をとても怖がる友人がいる。 そう言われてみると、その気持ちもわかる気がする。 でも昨日思ったんだけど、鳩の首の羽根は光に反射して緑に光るのです。 それはとても綺麗。 動くと、そのとぼけた感じがとても可愛い。 前に、ぎょっとした鳥がいる。 …

ひとりごと

考えがまとまってから書くんじゃなくて、 考えをまとめるために書くんだったりするし、 伝えるために言葉にするんじゃなくて、 誰にも伝わらなくても発する言葉もあるし、 どうしようもなく思いつくことを、 ひたすら文章にするときもある。 でもできれば誰…

風土 / 和辻哲郎

道の真ん中で、鳩が佇んでいた。 どうしてだろうと見ていると、そこだけ木のお陰で雨が降らないんだ、それがわかった。 羽根、濡らしたくないよね。 鳩の表情が、なんだか寂寞としていた。 さて、完璧を目指すのをやめて、進み続けることを目指そうと思う。 …

漫画について

ある漫画に、 「天よ 今日を ありがとう」 というセリフがある。 ときどき思い出しては、大きななにかへの感謝を噛みしめる。 昔、手元に持っていた漫画のコラムで、作者がノンフィクションものに弱く(特に野生動物もの)、フィクションは現実には勝てない…

ふと思うこと

不足していることなどなにもない。 良いんだこれで。 なにを不満に、不安に思う必要があるか。 うんうん。 大丈夫。 ときどき、お腹のあたり、すとんと落ちる、この感じ。 そういうとき、私の不安はなくなり、ただ目の前の空だけ見えた気がする。 よしよし。…

玉依姫 / 阿部智里

本を喰らうという感覚を久々に味わった。 八咫烏シリーズの文庫版の最新刊を吊革で知り、早速入手、1日で読み終わってしまった。 前までは、面白い本は進むのが早くてすぐに読み終わってしまうことが惜しいと感じていた。なぜなら、貪るほど面白い本に出会う…

自然を想うこと、自然と思うこと

私はよく、この瞳の瞬きがシャッターになれば良いのに、と思う。 夕暮れの美しい朱色の雲の移り変わりがどこかに残せれば良いのに。 写真を撮れば良いと言われるかもしれないけれど、しかしやはり、レンズを通したものは瞳に映る景色とは異なる。 ただその一…