ホーキング、宇宙を語る / スティーブン・W・ホーキング
やっと、やっと、読み終わった!!
おそらく内容の半分以上は理解できてないし、残りの部分もニュアンスわかったくらいの感じだろうけど、とにかく読み終わった!!
私、文系人間なんだぞ。1ヶ月近くかかってしまった。
この達成感。
序章で魅せられた。
自分でももしかしたら宇宙論の片鱗が理解できるのではと。
出てくる数式は、たったひとつのみ。一般の人がわかるように、文章のみで、あらゆる人の助言を受けながら書かれた本。
わかるようなわからないような〜となりながら読み進めると、あるときふと、あー!!とストンとくる瞬間がある。
それまでの全てがわかるわけではないけれど、その一文に対してスッキリくる部分がある。
とにかくわからなかったのが、不確定性原理と量子力学の部分だと思う。他がわかったとはもちろん言わないけれど。
最初の数章と最後の数章が、比較的わかりやすいと思う。
全編を通して、理論だけの話じゃなくて、誰がどんな風に発見したのか、ということも説明されているのが親切だと思ったし、そこに面白さもあった。
前に読んだ本に、未知の知識を得る本を、理解が難しい本を読むことは、とにかく読み進めるのが大事だとか書いてあったと思う。
これから読む予定の本の目次にも、そんなこと書いてあった。
だから、わからないと唸りながらも読み進めた。また何回か読まなきゃ理解はできないし、もう一度読む前にもっと易しい本を読まなきゃいけないかもしれない。
でも、世界を広げる一歩は、わからなくてもとにかく進まなきゃいけない。
世界を想うとき、私は自分の小ささを知る。
宇宙を想うとき、私は本当に自分はチリくらいのなにかじゃないかと思う。
宇宙を頭に思い浮かべるとき、私はまず満天の星空が浮かび、そこから大気圏を突き抜けて宇宙を旅する。月を横目に過ぎて太陽系惑星のひとつひとつが姿を現わす。(今この瞬間も、地球が、太陽系が、ものすごいスピードで宇宙の中心から遠ざかっているとは信じられない!)天の川があり、いくつもの銀河を遠くに見る。私の想像はまだまだ宇宙の枠の中で、その外のバブル、すなわちマルチバースの姿を繋げるのは難しい。
(ちなみにこの本は、たぶんマルチバース論までは書いてなくて、超弦理論までの記述になっている。)
宇宙論は、物理学とか数学とか、理系だけの話かと思っていたけれど、その芯の部分で哲学と繋がっている。むしろ、哲学から派生していると言っても過言ではなくて、そこから予測できて測定できるものを見つけていったのではないだろうか。
まさか宇宙の本に、人間原理の考えが出てくるとは思わなかった。
そして、今まで考えられてきたあらゆる理論は、なんて不確定で曖昧な仮説という出発点を持つんだろう。研究者って、すごい。
なんて宇宙論は、人間的な学問だろう。
私は、個々の活動に対する生態系という全体の考え方の美しさが好きだ。
昔読んだ漫画に、「全は一、一全」というセリフがあった。まさしくそれだ。
だから、もしかしたら、この世界を読み解く統一論が存在するのかもしれない。大きなくくりで見れば、全ては必然なのかもしれない。
ただ、そこには人間一人一人の幸せが関係するのだろうか。それとも、思想や感情は自由なのだろうか。
もし、統一論があるとしたら、それはおそらく「論」ではないように思える。きっと人間のもつ言葉、数字や記号では表しようがないのではないだろうか。
人間というのは面白い。こんなことまで考えてしまうんだから。
そう思える本だった。
よしよし、この本を読み終われたのだから、また頑張れる。
さて、次の本を読もう!