空飛ぶ馬 / 北村薫
最初にこの本を知ったのは、あるテレビの大学生が中学生に勧めていたことがきっかけだ。
気になったからネットでレビューを読んで、イマイチなコメントもあって、読もうかどうしようか迷っていた頃、同じテレビを観ていた母が古本屋で買って帰ってきた。
なかなか面白いわよーと言った母の言葉と、目の前に本があること、そして、読む小説がなかったことが決め手となった。
なるほど、面白い。
でもこれは多分、読書が苦手な人よりは、本好きな人に勧めたほうが良いものだと思う。
後になればなるほど読みやすくなるけれど、最初の話の導入部分は特にそう思う。
私は、あまり短編は読まない。
理由は特にないけれど、あっさり話しが終わってしまうのがなんとも惜しい気がしてしまう。
でもこれは、短編だけどまた次の話にも同じ登場人物が出てくるから、そういった惜しい感じがしなくて良い。
二つ目の話を読んだとき、人物が再登場したから嬉しくもなった。
小さな謎解き、ミステリー。
私にとっての一番の謎は、主人公の女の子が、謎解きの男性に、ちゃんとひとつ残さず見聞きしたことを伝えることができること。私なら、絶対に伝え忘れがあるのに。ここは、小説ならでは。
解説に少し書いてあるとおり、実は私も、作者はてっきり女の人だと思いながら読みました。
続編、読んでもいいかもしれません。