On the way

思いつくまま気の向くまま

脳を鍛える / 立花隆

教養とはなにかを問われたら、この本を薦めると思う。全ての答えが入っているわけではないけれど、大きく捉えることは可能になるかもしれない。

今一度、自分の教養のなさを知る。


書物は芋蔓式で派生していく。本を読めば次に読む本に出会える。

最近、色んなことを自発的に調べるようになり、本に限らずあらゆる知識は派生していくことを実感する。言葉の説明の中にある言葉の意味を、知らないことが多い。


本書の中に出てくるスノーの「二つの文化と科学革命」。これはすでに私の本棚で順番を待っている。これは以前読んだ宇宙論の本のコラムで紹介されていた本だ。気になって入手しておいたけど、まだ読めていない。そして今回、この本でも紹介されている。かなりのボリュームを占める。本が本を結ぶ瞬間に出会えた気がして大変嬉しかった。


本書で、他にも沢山の本に出会えた。順番待ちの本が膨大に増えてしまった。楽しみで仕方ない。

 

もともとこの本は、ある大学の建築学科の研究室のHPの中で推薦されていたのを見つけて購入した。建築学科のHPはお洒落なものが多いから、好きで見ていた。余談だけど、建築会社のHPもお洒落なものが多い。

 

数十年前に行われた講義の内容を書籍化したもので、この講義を生で聴けた学生はなんて幸運なんだろうと思う。
脳科学も文学も哲学も物理学も宇宙論も...知識と思考力を高めるためには広い視座でもって物事を見なければいけない。
あと、この内容はやはり少し情報が古かったりするから、それは自分で補わないといけない。
書いてある通り、物事はなんでも鵜呑みにしてはいけないし、自分で調べないといけない。考えないといけない。たとえそれが全世界共通の認識だったとしても。

絶対なんてことは絶対にない。大切なのは自らの取捨選択だ。

 

またいつも言っているけれど、ではこの本と20歳の頃に巡り会っていたら、どうだったか。答えは簡単で、おそらく本屋で見かけても手に取らなかったし、人に勧められても最後まで読み切れなかったと思う。だから、今、読む価値があったのだと思う。

何歳になっても勉強はしないといけない(これには強制の意味は含まれない)から、いつ読んでも良い。ただ、もちろんこの講義の対象年齢に近ければ近いほどオススメかもしれない。(20歳前後が一番、脳が柔らかいから何でも吸収しやすい。この時期の思考形成が大切、と本書で記載があるので。)

 

面白いです。


古典は読もう。一世代二世代前の人たちが当たり前のように知っていることを知る努力をしよう。
知識人になりたい。
人生、知らないことだらけ。
それを自覚することすら、面白い。