レッドタートル ある島の物語
かなり前に撮り溜めしていたのを、なんとなしに見始めたのだ。
最初は正直、1時間半持つかな?と思った。
最初の数分で、この映画は言葉なしで進むとわかったから。
それは、どこの国の人が見ても、言語を持たない人が見ても、わかるということを意味する。
外国人の監督とジブリが組んでつくった作品だからこそだろう。
私はこれがジブリ映画じゃなかったら、録画してもいないと思う。
どこに帰結していくんだろう。3分の1を過ぎたあたり、意外と物語としての形があるものだと感じるようになってから、そのエンディングをどう持ってくるのか気になり始めた。
最後まで見て、このエンディングは予想できないほど想定外じゃないけど、すとんと心に入ってくる終わり方だった。
これは、エデンでもあるし、オノゴロ島でもあし、生命のあり方の話でもある。
作成時期から考えて、震災とは関係なく構成されたのだろうけれど、きっとこの島には数百年に一度、こういうことが起きるのだろうとも思った。
いつの時代のどこのだれかも曖昧に進んでいくからこそ、余分が削ぎ落とされている。
起承転結がきちんとあり、ここまで言葉なくても見せることができるのだと少し驚いた。
意外なほど、退屈しなかった。
というより、良かった。
良い作品だったと思う。