On the way

思いつくまま気の向くまま

読書

明日の子供たち / 有川浩

不思議な感じ。ページがどんどんめくれていく。小説ってこんなに読みやすいんだっけ?そんな感覚が蘇る。決して妥協して選んだ本ではない。もちろん衝動もあったが、むしろ厳選を重ねたつもりだ。 勉強しなければ自分の価値がなくなると震えるほど本気で考え…

何者 / 朝井リョウ

何者になりたいのか 何者になりたがっているのか その問いかけは、決して就活生の専売特許ではない。 この人の小説は、良くも悪くも頭が痛くなるほど強く惹きつけられるということはない、でも不思議な色のドリンクみたいな。 飲んでみたら、たぶんおいしい…

暗幕のゲルニカ / 原田マハ

最後のページをめくった瞬間、これで終わりなのだと知り、ひとり驚きの声をあげてしまった。 そしてしばらくして、じわじわとこみ上げてきたのは、 ルース、あなたの提案はこれですね 唇の端をあげてにやりと笑う、そういう気分だった。 この本は、どちらか…

風土 / 和辻哲郎

道の真ん中で、鳩が佇んでいた。 どうしてだろうと見ていると、そこだけ木のお陰で雨が降らないんだ、それがわかった。 羽根、濡らしたくないよね。 鳩の表情が、なんだか寂寞としていた。 さて、完璧を目指すのをやめて、進み続けることを目指そうと思う。 …

玉依姫 / 阿部智里

本を喰らうという感覚を久々に味わった。 八咫烏シリーズの文庫版の最新刊を吊革で知り、早速入手、1日で読み終わってしまった。 前までは、面白い本は進むのが早くてすぐに読み終わってしまうことが惜しいと感じていた。なぜなら、貪るほど面白い本に出会う…

長い旅の途上 / 星野道夫

私がとても嬉しかったのは、星野さんの本の中に武満徹さんという作曲家の言葉が出てきたことだった。 父は武満徹さんの本を持っていて、何度か勧められたことがあり、そのうち読もうと思って自分の本棚に移した、ちょうどそのタイミングで、この本の中でその…

羊と鋼の森 / 宮下奈緒

想像と全く違う物語だった。 本当は、静かに、明るく、美しい物語。心がほっとするような。肯定してもらえているような。深い森の中の、木漏れ日か日だまりのような物語。映画化されるようで、キャストも良さそうだけれども、やはりまずは一度読まないとだと…

アラスカ 永遠なる生命 / 星野道夫

白いシャガの花の群生は、いつの間にかその姿を消した。 数日前の雨で萎れたのか、気温差が原因なのか、ただそういう時期だったのか、それはわからない。 でも、気づいたことがある。 同じ場所にはハルジオンも咲いていて、あの歌詞に出てきたようには、背は…

眠れなくなる宇宙のはなし / 佐藤勝彦

宇宙の本を読もう。 そう思って「宇宙 初心者 おすすめ」でネット検索したらヒットしたのが本書です。 読み始めたとき、語り口が優しすぎるのと、話題が少し古いので、正直どーかなーって思ったけど、読み進めるとなかなか興味深い。 古代から繋がる、人々と…

旅をする木 / 星野道夫

どうしてこの人の文章を読むと、涙が溢れそうになるんだろう。 星野道夫さんという写真家の存在を知ったのは、一昨年の夏だった。 SNSで友人が、没後20年の特別展について「ぜひ行きたい」と載せていて、それを見て1人で特別展に足を運んだ。 そのときの衝…

人間この未知なるもの / アレキシス・カレル

随分と前に、友人に紹介してもらった本。2017-2018の年末年始の1週間で読破することを決意し、ギリギリ達成できた本。 序章を読んだ瞬間、大いにわくわくした。ここには精神と科学の統合知が詰め込まれているに違いない。そう確信があった。 現代から考える…

蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

読書カテゴリー最初の1冊目は、「蜜蜂と遠雷」。 本屋大賞を受賞する前、その装丁と帯裏の文から、どーしても読みたくなって、普段は文庫しか買わないのに、単行本で買って、あっという間に読み終わった本。 ぜひともおススメしたい1冊。 とても良い。抜群に…