それでも、日本人は「戦争」を選んだ / 加藤 陽子
お盆のブックオフで見つけて、蝉の鳴き声が終わる頃、読み終わりました。
私は高校で世界史選択なもので、日本史は、特に明治以降の歴史はほとんど知らない。
歴史上の人物も、ギリギリ有名な人は名前を聞いたことがあるくらい。もしかしたら授業でやったのかもしれないけれど、もう記憶の彼方。
いつからこの本の存在を知っていたかは忘れてしまったけど、何度か買う機会を逃したことは確か。
いつか読もう、知ろう。
そう思いつつ、なかなか重い腰は上がらなかった。
なぜなら、「戦争」という言葉が、重かったから。
それぞれの、戦争にいたるまでの経緯、意思決定、背景、そのディティールを、少し垣間見た気がする。
きっとこれは、もっと日本史を知っていて、「一般的にこう思われている」を知った上で読めば、より深まるだろう。
私はあまり一度読んだ本を読み返したりしないけれど、いつか、私の知識が深まったら、再び読もう。きっと、違う発見があるはず。
なかなかボリューミーな本で、正直に言うとお腹いっぱいだ。知らないことが山のように入ってきて、消化しきれてない部分ばかりだ。
半月近くかけて本を読むのは、このタイプの本であればそんなに珍しくはないけれど、やはりもうちょっと最初の勢いで読めば良かった気がする。
だからね、感想を書くのが難しい。
戦争っていう(本の)カテゴリでは、自分の知識不足もあり、思うところがごちゃごちゃしてしまって、言葉も選ぶし、考える。
でもこの本、読みやすい。
自分が授業を受けているような感覚になるし、いろんな観点から精査されたのがわかる。
やっぱり歴史は、難しくて、面白い。
日本が一枚岩ではなかったように、各国に思惑があり、背景がある。それがパズルのように組み合わさり、または違う形の歯車が物事を回していくように、歴史が紡がれていく。
なにが常識か、というのは、時代と、文化、そして一人一人により、違う。
忘れてはいけない、というよりは、繰り返してはいけない。
歴史は韻を踏むという言葉を、超えるために。
私はひとり、次の本を手に取るのです。
そうして得た知恵は、いつかの一票になるのです。