たくさんの人と出逢う
今まで、読む本は専ら小説ばかりで、随筆や新書は苦手な類だった。
しかし今、ある物事がきっかけで、あらゆることに関心を持つようになり、むしろ新書や随筆ばかり読んでいる。
そのようになってからまだ数冊目だが、小説とはまた違う、奥深さを感じる。
いま、私は多くの人々やその人々が獲得してきた叡智と出逢うかのように本を読む。
ある人はいう。
「まだまだ知らないことが沢山あると思うと、生きていることが楽しくて仕方ない。自分がいま感じていること、考えていることは、もしかしたら人類で初めてかもしれないと思っても、ある本ではそのことが自分で考えたよりもっと深く論じられていたりする。宇宙の果てまで、知らないことが溢れている。それが楽しくて仕方ない。」
ときどきふと、この本ともっと早くに出逢っていたら、人生変わったかもしれないと思うこともある。
でもいつも、そう思った次の瞬間には、
「今の自分が読んだから、このように感じることができ、理解することができるのだ。昔出逢ったとしても、その当時の自分にはこの深さは理解できない。もしかしたら、感動を覚えるどころか、つまらないといって途中で読むのをやめてしまったかもしれない。だから、いま、出逢うべくして出逢ったのだ。」
そう思うようになった。
ガンジーの言葉を反芻する。
速度を上げるばかりが、人生ではない。
There is more to life than increasing its speed.
大事なのは、焦ることじゃない。
これから踏み出す一歩をどう進めるかだ。
たくさんの人と出逢うように、たくさんの本を読もう。
そしていつか、多くのことを知ったのち、「まだなにも知らない」と笑って言おう。