On the way

思いつくまま気の向くまま

星を探す

昨日は、晴れた夜空から煌々とまんまるな月が見えた。

 

一昨日は、警備員のおじいさんに「今日は中秋の名月ですが、見えませんな」と粋な感じで声掛けられて、たしかに見えなくて少し残念だったけど、思い出して夜空を見上げて歩いたのは良かった。

 

開けた場所に行くと、夜空は広くて星も見つけやすい。

南を向いて北斗七星といっても見つけられない。

 

この国は、どこかに静かに、自由を置いてきてしまったよう。

静まりかえった水面の奥に、そっと衝立を置いて少しだけ流れを堰き止めて。

 

形式だけなら、そもそもやめてしまえば良いのに。

そのうちこの国は、隣の大きな国の真似っこをしはじめるのではないだろうか。

 

言葉は、自由であるべきだ。

私たちの言葉は、あの星の向こうには届かないから。

せめて伝えられる場所には伝わるように。

 

遠くを

日常的に遠くを見ることが減り、

視線が下がったことで手の届く範囲で生きている気がする。

 

でも元々人間はそうだった生き物だろうと、

高い所に身を置くようになったのはここ最近の話で、

バベルの塔が神話になるくらいだから、

人間は罪深いとか言われるのかもしれない。

 

空を見ると遠くを見ることに自動的になってるのかもしれないけど、

比較対象がないからなかなかわからない。

 

高い所から、遠くの小さなビルや、遠くにあるとわかる夕日や、真下でもとても小さい人影とかを見ると、

なんとなく切ないような壮観のような気になるのは、

本来そこにあるべき視点じゃないからかもしれない。

 

最近はドローンとかで鳥のような視点の映像をよく見るようになって、

そうなってくるともう、

なにが本来なのかとかもよくわからなくなってくる。

 

ただ、生物としてのスピードが、人間はおかしいのかもしれない。

 

でも、あの景色は無性に欲しくなる。

もう行くことはない場所だけど、また同じ景色を見たいと思う。

 

つらつらと、夜。

 

自由に

自由に

自由に

 

雨よりも晴れが好きだけど、

これくらいの小雨なら悪くない

かもしれない

 

少し歩いて

少し立ち止まって

 

効率よく

計画立てて

できるようにしてきたけど

 

もうすこし自由に

自由に

 

重い足取りも

風に流されるように

軽くしていって

 

もうすこし

きっと大丈夫

 

あの淡い絵を思い出しながら

 

BISビブリオバトル部 翼を持つ少女 上下・幽霊なんて怖くない・世界が終わる前に / 山本 弘

文庫版4冊を、一気に読んでしまったので、一気に感想を書きたいと思います。

 

面白いです。それに尽きます。

 

出会いのきっかけは、ある芸能人のインスタでした。「翼を持つ少女」の文庫版表紙が載って、面白かったと紹介されていました。

その方の読書傾向もあまり知りませんでしたが、表紙をぱっと見た瞬間、「これは面白そうだ」って思いました。装丁って大事ですよね。

 

①翼を持つ少女 上・下

正直、最初に空(女の子・主人公っぽい)にSFの話をバーッとされたときは、よくわかんないし、全部ちゃんと読んでられないって思ってしまいました。武人くんに共感しました。

でもそのあと、ビブリオバトル部に行って物語が動き出したとき、これはすごい、面白いって。最初のビブリオバトルを観戦して、面白くって興味が出た本を全部Ama×onで検索かけて。読んでる最中は、「私ならこれに投票するな」って考えたり。大体チャンプ本にはならないことが多いけど。

自分で本屋さんで手に取るものは、大体自分の範囲内の本だなってわかってるんですよね。だからなるべく、人から勧められた本を読んでみたい。こう思う私からすると、このビブリオバトルってすごくありがたい場所。「おすすめ本はなに?」って尋ねなくても勝手に答えてくれる、みたいな。

読みたい本が紹介されているページをスマホで写メって、いつか図書館で借りたり、(古)本屋で買ったりしたいなーと思ってます。ページを写メったのは、タイトルと著者を羅列しただけじゃ、この読んだときにどこが面白そうだと思ったか忘れちゃいそうだったから。もちろん、手に入れたら削除します。

読み終わったときは、私もビブリオバトルやりたい!って思ったけど、よくよく考えてみると結構大変。このBISビブリオバトル部の面々はすごく頭いいし、すごく優秀。こんな発表、できないなぁって思いました。(そもそもあがり症だし)

家族にも、「この本面白かったよ!」と見せに行ったところ、裏表紙をぺらっとめくって作者紹介のところを見て、「この人けっこう年上の人だね~」と言われ、まじまじと見たところ、確かに!このテンポの良い若い人っぽい会話や文章を読んでいたら、もっと年の近い人だと思ったら、そんなことありませんでした。(失礼にあたるでしょうか。。悪い意味じゃないんです。)

私は作者紹介のところを見もしなかったので、まずそこから見る家族の視点にも驚かされました。私ならたぶん、装丁と裏のあらすじを最初に見ると思います。人によって見るところって違うんだなって改めて思いました。

私が興味を持ったのは、

・ジャングルの国のアリス / メアリー・H・ブラッドリー

・偶然の科学 / ダンカン・ワッツ

冥王星を殺したのは私です / マイク・ブラウン

・小学4年生の世界平和 / ジョン・ハンター

ホモ・サピエンス 将来の展望 / H・G・ウェルズ

・フェッセンデンの宇宙 / エドモンド・ハミルトン

ほらやっぱり、いつもと全然違うジャンルの本ばかり!

 

②幽霊なんて怖くない

季節は夏。「恐怖」や、「戦争」がテーマのビブリオバトル

「恐怖」は部活の夏合宿として、武人くんの大きな屋敷で、武人くんの家族を聞き役に迎えて。

「戦争」は図書館からの依頼で、一般の人も聴衆できるオープンな場で。

私が興味を持ったのは、とりあえずぱっと思いつくのは以下の2冊です。

・9条どうでしょう / (作者略)

・腰ぬけ愛国談義 / 半藤一利宮崎駿

 

そして本作のもう一つのテーマ(勝手な想像ですが)は、「フィクションはノンフィクションを越えられないのか」。

(武人くんはノンフィクションばかり読む人で、こういった考えを持っています。空はSFマニアで、膨大な量のSF小説を読んでいます。ほかの人は略。)

この議論が繰り広げられたとき、昔読んだ、ある漫画の裏表紙(だったかな?)を思い出しました。

その漫画家さん、まさにこのことで葛藤した時期があったそうで、そのときお知り合いの人に「現実で辛いことがあるんだから、フィクションの中では救わないとね」といったような(記憶曖昧です)ことを言われたことがあるんだそうです。

私自身、読書の大半は小説、フィクションがほとんどです。

「フィクションはノンフィクションを越えられない」かどうかについては、それは人それぞれの考え方だと思ってます。あと、そもそも比較する必要性を感じていないというところでしょうか。

 

他に考えさせられるのは、「情報の正確性」でしょうか。

ビブリオバトル部の面々は、すごい情報量を正確な数字で発表するんですね。発表って、こんなちゃんとやんなきゃいけないのかなって、やりもしないのにプレッシャーを感じるくらい。年代とか、何冊目とか、ほかにも、作者のほかの著作とか。

私の場合、数字が苦手なので、物事はイメージで記憶されていることがほとんどですし、好きな作家さんはいますけど、その人の本をたくさん読んでるわけでもありません。

ただ、物事は、正確な数字を聞くとまた違った印象を受ける。(しかしこれまた、それが「正確な数字」かどうかのリソースに対する検討も必要ですね。)

最近よくニュースで見ますね。「統計上の数字」という言葉。本作にも登場します。

正確なデータを知ることで物事の見方はかなり変わります。

そしてそれと同時に考えなければならないのは、「数字にどのくらい感情を乗せられるか」というところではないでしょうか。このあたり武人くんと部長さんで議論されてますね。

 

私は、こういうところはかなり記憶ベースで書いてますから、(しかもその記憶はだいぶ脆弱です)正確性ではあてにしないでください。(そのために「確かこうだったと記憶してます」とぼやかすようにしています。すみません。。)

なので私は、”信頼できない語り手”になるのかもしれませんね。

この言葉は、次の「③世界が終わる前に」へのバトンになっています。

 

③世界が終わる前に

 

その前に、「空の夏休み」という短編で、空がコミケに参加します。

私自身、参加したことがないのでどんなもんだろうと想像しかしてきませんでした。(人いっぱいだろうなーとか。)

この短編を読んで、なんでこの作者はこんなに詳しいんだ!?と思ってたら答えに遭遇してふふっと笑ってしまいました。

なにかひとつのことに夢中になるって、うらやましいなと思ったり。

 

さて、本編に移りましょう。

今回は、明日香先輩との好敵手としてすでに紹介されていた他校の寿美歌さんがメインばりにご登場となります。

彼女、無類のミステリー好きで、本作も、ビブリオバトルでの紹介本だけでなく、全体的にミステリー要素が散りばめられた作品になっております。

 

私、ミステリーはそんなに読まないんです。好きか嫌いかはあまり考えたことがないんですが、謎解きをしながら読みたいとか、全然思わないんです。最後に全部がわかるっていうのがあまり好きじゃないんだろうと思います。読みながら忘れるので、(記憶が脆弱なので。笑)一気読みしないと、「あれ、そんなところあったっけ?」ってなってしまうんだと思います。なんとなく自己分析。。

 

本作で私的・注目ポイントは、寿美歌さんの後輩の、双子の詩歌ちゃんと流歌ちゃんは、そこまでミステリーに詳しくないということ。そのうえで、紹介された本でビブリオバトルに参加する。

なので、「あ、それ聞いたことある!」っていうタイトルがたくさん出てくるんです。「流行ったのは知ってるけど、手に取らなかったなぁ」みたいなものも。だから、こんなに楽しそうに紹介されると、読んでみようかなって気になるんです。

それに、「それもミステリー区分に入れちゃっていいの?」って思うような作品も入っているので、私にとってのミステリーの敷居がぐっと下がった感じがします。今までって、殺人事件起こる→探偵or警察ポジが登場→いろいろ捜査して→真相を暴く、みたいな流れがベーシックだと思ってたので。典型的な思い込みでしたね。

そんな私でも興味を持った本が、こちら。 

・電氣人間の虞 / 詠坂 雄二

イニシエーション・ラブ / 乾 くるみ

・男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。

最後の男子高生(以下略)、タイトル長!って感じですよね。そういう感じで紹介されてます(笑)なにより驚いたのは、『キノの旅』の作者・時雨沢恵一さんの作品なんですね!昔、一時期かなりハマってまして、時雨沢さんの本はかなり読みました。気になります。

 

本シリーズは、その作品ごとに色がわかれていて、仕掛けがあって、面白いです。

 

次回作が文庫本で発行されるのを、心よりお待ちしております。

目線

窓の向こう、

道を挟んだ十数メートル離れたマンションの、

こちらより少し高い階のベランダ

 

干された掛け布団が風でめくれあがったまま

でもそれより気になるのは

ベランダのフチに時々出てくるタオルの端っこ

風の強い日

 

青空が広がる

 

今日も、家のなか

まぐだら屋のマリア / 原田マハ

タイトル・ジャケット買いだった。

マハさんのを定期的に読むのは、もはや習慣かもしれない。

しばらく経ってから、読んでる学術書が一向に進まないものだから、本棚に積んでおいた未読本の中から引き抜いた。

 

ほぼ1日で、読み終わった。

なにを思い描いてたか忘れたけど、なんとなくイメージと違ったし、もう少し重い感じだった。

怖いなって、というか、きっついなって。

本当は、前に読んだ「生きるぼくら」みたいな読後感を期待してた。

「生きるぼくら」は気持ちの良い、さわやかな読後感だった。

それよりも、別れの淋しさみたいな、生きることは過去からの積み重ねで、継続的なもので、なかったものにすることはできないし、する必要もないのだという事実をそっとそこに置いて、でもその荷物を背負ってまたバスに乗ってどこかの原風景に還っていくんだっていう、そんな感じ。。

 

ひとは贖罪を背負ってるというのは、どこか題材の宗教的な匂いを思わせる。登場人物の名前も。

 

そして物語の中で一貫している、料理・食事というポイント。

"食べることは生きること"

そんな風に明言せずとも、そう思わせられる、主人公がマリアの食事を食べた時、女将さんが主人公の食事を食べた時、ゆうたが、まるこが、主人公の食事を食べた時…

仕草ひとつ、言葉ひとつ、目線ひとつから滲み出る。

 

ひとは、ギリギリの淵から、どうやったら立ち上がれるんだろう。それは一概には言えなくて、人それぞれだけど、その気持ちを泉からそっと両手で水を汲み取るみたいに、そんな一言を持っているのが、マリアだった。

 

私は、日々後悔しないようにしよう、丁寧に料理して、家族に喜んでもらいたいって、単純に思った。

 

どうか、みなさん、しあわせでいて。

 

 

音を鳴らす

建設的な考え方をするには、

顔を上げなければならない

音を鳴らさなければならない

泣き喚いたところで、

明日は見えない

 

悲観主義者はあらゆるチャンスの中に

問題を見出し、

楽観主義者はあらゆる問題の中に

チャンスを見出す。

 

ウィンストン・チャーチル

 

建設的とはなにか

目指すものはなにか

 

人生一回きりなんだから

ちゃんと考えて

ちゃんと行動しなきゃ

楽なほうにいくのもいいけど

見失っちゃいけないものもある

 

なにを選んだとしても

大切なのは

支えてくれる人に感謝すること

 

ちゃんと考えよう

自分が壊れる前に